2014年5月13日火曜日

エジプトで感じた矛盾

春学期は授業のコマ数を少なくしていたのと、やはりMBAの授業に慣れ始めたということもあり、秋学期の苦しみが嘘のようにすんなりと期末試験のスケジュールをこなすことができた。(出てきた成績も「フツー」だったが、勉強した分だけ結果が出たという感じで、そういう感覚になれたのも成長のうちと言えるかも?) 

そして今、Independent Study Project、通称ISPという授業の一環でエジプトに来ている。
このISPのテーマは、エジプトの社会起業家支援だ。
エジプトに来て感じたことを、フェイスブックに一度書いたのだが、今回はそれを転載したい。

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昨晩カイロでエジプト人のMBA同級生のジモティー(死語)たちとバーで飲む機会があった。彼らはとてもフレンドリーな人たちで、わずかな時間しか一緒にいられなかったけど、彼らがナイスガイ•ガールだと言うのはすぐにわかった!

ただ彼らから聞いた話が気になって少しモヤモヤしている。

『カイロ首都圏は人口2000万人の大都市だけど、僕らのコミュニティはとっても小さいんだよ。』『夏には地中海のビーチリゾートに行くのが決まりなんだけど、そこに行くといつも顔なじみが集まっていてとても楽しいの。連絡を取り合わなくても自然とみんながそこに集まるの。』『友達の友達は友達だから、誰の結婚式に行っても沢山の知り合いに会えて楽しいんだ』『大切なビジネスには必ず友達が関係してるから、ここでは仕事がとてもやりやすい。この小さいコミュニティはカイロの大きな魅力よね。』

英語が流暢な彼らは、エジプトではトップ5%の上流階級とのこと(彼ら曰く)。
こっちのオフィスで少し働いてみて、エジプトの人は皆英語が上手くてすごいなぁと思っていたけど、彼らは本当にごくごく限られた階層の人々なのだ。おまけに、彼らは同じ仲間内でしか出会わないし、つるまないし、結婚しないので(サンプル数が少ないのでバイアスがひどいが…)、階層が固定化されているのだろうと思った。

自分は卒業後、途上国のプライベート・エクイティ業界で働くのも悪くないなと思っていたけど、もしその世界に入ったらビジネスのためにこういう特権階級との関係構築に腐心することになるんだろうな。
彼らには何も悪いところは無いし、そもそもここでは特権階級でも、先進国ではミドルクラスの部類だろうし、自分自身の生活水準と似ているので話も合うし、いっしょにいて楽しかったんだけど、途上国PE=金持ちをますます金持ちにして残りを置き去りにするような仕事に思えてしまい、なんとも言えないモヤモヤを感じてしまった。

世界のエリートが集まるビジネススクールを夢見て、自分で選んで、こういう世界に飛び込んでみたのに、こんなこと言っちゃってるのもナイーブな話ではある。

一方で、そもそも産業が存在しない市場や、存在はしても未熟な市場で、産業を作り強くするような仕事には、地元に雇用を生み地元の人の所得を増やし税収を拡大し、更には福祉を強化し教育を促進するという幅広い開発効果があると思う。
そういう仕事にはやはり惹かれるし、やりたいとも思う。

これから夏のインターンもあるし、その後には再びビジネススクールのキャンパスに戻るので、あと一年いろいろと手探りで自分の将来について考えてみたい。

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